ツイッターでときどき文頭に(承前)という言葉を添えたつぶやきをみかけます。
承前)
明日の朝日新聞静岡県版
・大相撲の春の地方巡業、「富士山静岡場所」が5日、静岡市駿河区の県営草薙総合運動場の新体育館で開かれました
・難工事の末、1934年に完成したJR東海道線「丹那トンネル」(熱海―函南間)の歴史を伝承する「例祭」が熱海市の丹那神社で開かれました— ふじ茶ん(朝日新聞静岡総局) (@asahi_shizuoka) April 5, 2015
とくに新しい言葉ではなく、2010年ごろにはすでにツイッター上でよく使われていたようです(私自身はあまりツイッターを利用していないので気が付きませんでしたが)。
また、(上のように)新聞社が利用していることからもわかるとおり、単なる流行語ではなく、日本語としてもちゃんとした言葉であるといえます。
意味は以下のとおり。
しょう ぜん【承前】
前の文を受けつぐこと。前の文のつづき。書き出すときに用いる語。(『大辞林』三省堂)
140字という制限があるツイッターでは1回のつぶやきで言いたいことを全て書ききれないこともあります。そのようなときにつぶやきを2回に分けて書いたりするのですが、その2回目のつぶやきの書き出しに(承前)と付けることで、読者に「このツイートには前文がありますよ」と伝えることができるわけです。
別に(承前)ではなく(続き)と書けば意味は伝わるのですが、(承前)と書いた方がなんか格調高く見えるのかもしれません。
ただし、文章には硬い・柔らかいという概念があって、(承前)はどちらかというと硬い言葉になります。
上の例のように、新聞記事のような硬い文章にはよく馴染むかもしれませんが、一般の人が日常的に使う「今日こんなことがあったよー」といった柔らかい会話の場合には(続き)ぐらいが適しているでしょう。