「ふざける」を漢字で「巫山戯る」と書く理由・由来は?

昨日、10月31日はハロウィンということで、日本でもあちこちでコスプレ姿の陽気な人たちが新しい秋のイベントを楽しんだことと思います。特に渋谷は大賑わいで、勢い余って騒動に発展した様子がテレビで話題となっていましたね。そういったありさまを指して「ふざけすぎ」とか「悪ふざけが過ぎる」などと表現することもありますが、この「ふざける」を「巫山戯る」と書くことがあります。ちょっと難しい漢字の並びですが、どうしてこんな書き方をするのでしょうか? 調べてみました。

「巫山戯る」の巫山とは中国にある山のこと

まず「ふざける」という言葉の意味をおさらいしましょう。

ふざける
①冗談を言ったり、おどけたことをしたりする。
②子供などが浮かれて騒ぎまわる。
③人を馬鹿にしたようなふるまいをする。
④男女がたわむれる。いちゃつく。〔「巫山戯る」は当て字〕

(『大辞林』三省堂)

意味はそれほど難しくないですね。日常的によく使われるものばかりです。唯一、ちょっと特殊かな?と思われるのが④の意味でしょうか。そしてまさに、この④のところに〔「巫山戯る」は当て字〕という説明書きがあります。察するに、「ふざける」という言葉が成立したずっと後に、誰かが洒落て字を当てた(うまいこと言った)のでしょう。

では「巫山戯る」という字はどこから来たのか?

同じ「巫山(ふざん)」という字を使った語に「巫山の雲雨」とか「巫山の夢」といったもの(故事)があります。内容はどちらも同じで、「中国、楚の懐王が夢の中で巫山の神女と契った」という故事を指します。このことから中国では「巫山」といえば男女がいちゃつく場所という共通したイメージができたのでしょう。

また「戯(ぎ/げ/け)」という字も「戯れる」と書いて「たわむれる」と読みますが、「男女がみだらな言動をする。いちゃつく」という意味があります。ですから「巫山で戯れる」と書けばまさに、「ふざける」の④に意味に合致しますし、発音的にも「巫山(ふざん)戯(け)る」でピッタリです。

以上のことを踏まえますと、「ふざける」という言葉には4つほどの意味がありますが、「巫山戯る」という漢字は男女がいちゃつく意味のときに使うのが適当だと思われます。

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