楽天koboライティングライフ(β版)に登録してみた

電子書籍について

楽天が運営する電子書籍の個人出版サービス「楽天koboライティングライフ」が先週からスタートしました。現在はまだβ版ということらしいのですが、さっそく登録だけしてみました。

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アカウントの作成自体は簡単

登録にまず必要なのが「楽天の会員ID(持っていなければその場で作成できます)」。つまり、楽天のID(アカウント)を持っていることが前提のようですが、そのうえで、それとは別にライティングライフ(以下、WL)用のアカウントを作成することになります。

そのほか、住所や氏名、メールアドレスといった連絡先情報や、ロイヤリティ(印税)を受け取るための金融機関情報が必要となります。

登録自体は特に難しいことはないので、興味のある方はとりあえずアカウントだけ作ってみてもいいかもしれません。私の場合は、以前より楽天さんとは出版社契約を交わしておりましたので、今回は個人用に別アカウントを作ってみました。とはいっても、現状で出版できる原稿はないのですが……。

アマゾンの KDP との違いは?

さて、個人出版サービスといえばアマゾンの Kindle ダイレクト・パブリッシング(以下、KDP)が日本では先行していたわけですが、そちらとの違いは何でしょうか。
一般に公開されている情報の範囲で簡単に比較してみました。

<ロイヤリティ>
ロイヤリティとは本が売れた際に著者が受け取ることができる、いわゆる印税のこと。
KDP では35%の通常プランと、セレクトという70%のプランを選ぶことができます。35%というのは販売額に対する料率で、例えば1000円で本が売れた場合、350円が著者に支払われます。ですからこのパーセンテージが高ければ高いほど著者の利益は大きくなるわけです。

ただし、70%のセレクトプランを選択するにはいくつかの条件があります。その主なものが Kindle ストアでの独占販売の約束です。つまり70%に設定した本は他のストアで販売できなくなります。そのほか、販売価格も250円以上1250円以下にしなくてはならないという決まりがあります。

これに対して、kobo WL では45%と70%という2種類のロイヤリティプランが用意されています。この2種類のプランは単純に販売価格で決まるようで、80円〜298円が45%、299円〜100,000円が70%と記載されています(※ パブリックドメインの場合は20%)。なお、KDP のような独占販売に関する記載はありません。

※パブリックドメインとはすでに著作権が切れたコンテンツのことで、青空文庫で扱っているような作品がこれに該当します。

<配信手数料>
KDP のセレクトプランでは、電子書籍の配信手数料として1MBにつき1円が印税から差し引かれます。例えば、販売価格300円でデータ容量が2MBの本が1冊売れた場合、著者への支払額は208円(300円 x 70% – 2円)となります。

いっぽう、kobo WL の場合は配信手数料を差し引くことはないようです。

<源泉税>
配信手数料のほかに、KDP で本が売れた場合にはアメリカの源泉税として30%が印税から差し引かれます。この源泉税を免除する手続きも可能ですが、それにはアメリカの内国歳入庁とアマゾンの米法人相手に英語の書類を何度かやり取りする必要があり、けっこうな手間がかかります。

kobo WL の場合は、日本の源泉所得税と復興特別所得税で10.21%が徴収されます。

<まとめ>
このように、kobo WL は後発の利を生かし、KDPよりも比較的良い条件を打ち出してきた感があります。

ですが、電子書籍による収入は「販売単価」x「販売部数」x「ロイヤリティ料率」-「手数料」で決まるわけで、その中でも(今回話題に上がらなかった)「販売部数」が実はいちばん大きく影響してきます。つまり、同じ本を両方のストアで販売したときに「どちらのストアの方がより多く売れるのか」ということが重要なわけです。

そのうえで、楽天がどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるのか、今後の動きに期待したいところです。

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