「Kindle オーナー ライブラリー」と「Kindle Unlimited」って何?

電子書籍について

KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)の売上明細を見ていると、ときどき「KU/KOL件数 3」といったような記載を目にすることがあります。

KU」とは「Kindle Unlimited」のことで、「KOL」とは「Kindle オーナー ライブラリー」のことを指します。

では、これらはいったい何なのでしょうか?

スポンサーリンク

「Kindle Unlimited」は日本未上陸の(月定額)読み放題サービス

先週、KDPから「KDP セレクトのサービス提供範囲が広がり、このたび Amazon.com.mx および Amazon.ca でも Kindle Unlimited が利用可能になりましたのでお知らせいたします」というメールが届きました。

「Amazon.com.mx」はアマゾンのメキシコでのサービスで、「Amazon.ca」は同じくカナダでのサービスのことです。つまり、メキシコとカナダでも「Kindle Unlimited」が使えるようになりましたよ、という話です。

「Kindle Unlimited」とは、月々の購読料を支払うことで、自分の好きな本を好きなだけ、利用期間の制限なく読むことができるサービスです。現在利用できるのは、アメリカ、イギリス、イタリア、スペイン、ブラジル、フランス、メキシコ、カナダ、ドイツのユーザーとなっており、日本は含まれていません。(そのためなのか、「KOL」がカタカナで「オーナー ライブラリー」と書かれるのに対して、「KU」は日本のアマゾンのサイトでもアルファベットのままです)

ちなみにアメリカでの「Kindle Unlimited」料金は月 10ドルです。

「Kindle オーナー ライブラリー」は月に1冊だけ読めるサービス

いっぽう「Kindle オーナー ライブラリー」は、好きな本を1か月に1冊、無料で読むことができるサービスです。こちらは、「Amazonプライム」や「Amazon Student」、または「Amazonファミリー」に登録の人が利用でき、日本もその対象となっています。

「Amazonプライム」は、「買い物をしたときのお急ぎ便が無料になる」というのが有名なサービスですが、そのほかにも「お届け日時指定便が無料」「特別取扱商品の取扱手数料が無料」「家族と一緒に使い放題」そして「Kindleオーナーライブラリーの利用」という特典が付いています。これで年会費3900円です(日本の場合)。

ただ、日本の場合はお急ぎ便にしなくても翌日に商品が届くことも多いので、「Amazonプライム」の必要性を感じない人も多いようです。これがアメリカなどになると、通常配達で4、5日かかることもざらで、「Amazonプライム」の需要も高いといいます(その分、金額も高いのですが)。

さて、話を「Kindle オーナー ライブラリー」に戻しますと、登録者は月に 1タイトルだけ、好きな本を借りる(ダウンロードする)ことができます。ダウンロードした本は「Amazonプライム」等に登録している期間中はずっと読むことができますが、次の本を読もうと思ったら、今読んでいる本を終了(返却)する必要があります。

Kindle に登録されているすべての本が読めるわけではない

先のメールに「KDP セレクトのサービス提供範囲が広がり、メキシコとカナダでも『Kindle Unlimited』が使えるようになりました」とあるように、「KU」も「KOL」もセレクトに登録している本がその主な対象となります(そのほか大手出版社のタイトルも対象となることもありますが、出版社によってその参加の対応はまちまちです)。

KDP のセレクトとは、ロイヤリティ(印税)の率が 70%になる代わりに(通常は35%)、Kindle での独占販売や「KU」や「KOL」への参加が義務付けられるプランです。

つまり、私たちが電子書籍を出版する際にセレクトを選択すると、ときどき「KU」や「KOL」の利用者がその本を借りることがあり、そういったときの明細に「KU/KOL件数 3」などと表示されるというわけです。

分かりづらいのが、「KU」や「KOL」で貸し出された際に著者が受け取れる報酬の額です。アマゾンでは「KU」や「KOL」の利用による報酬を分配金と称し、その分配金はグローバル基金というところから提供されるとしています。サイトには次のように書かれています。

たとえば、ある月のグローバル基金の総額が 100 万円で、KDP セレクトの登録タイトル全体の既読数が 30 万回のときに、お客様の本の既読数が 1,500 回である場合には、基金総額の 0.5% (1,500/300,000 = 0.5%)、つまり 5,000 円の分配金を得ることができます。

結局よく分からないので、明細を見てはじめて「ああ、今月の分配金は 3.61ドルなんだな」と知ることになります。

 ・ ・ ・

ちにみに、先日 KDP から届いたメールには現在の基金の合計金額は「約 8 億 6,000 万円」と書かれていました。でもやっぱり、あまりピンときませんね。

タイトルとURLをコピーしました