オリジナルパソコンを販売するパソコン工房が、ライトノベルの執筆に特化した「ラノベ向けパソコン」を受注生産で販売しています。価格は税別 67,980円(デスクトップ本体)からで各種カスタマイズに対応とのこと。
ラノベ向けパソコンのコンセプト
このパソコンはライターの高橋敏也氏が「原稿用紙300枚を書くことをより快適にサポートするマシン」というコンセプトでいくつか条件を挙げて、それをパソコン工房が商品化したもの。
もう少し細かくいえば、
・小さいこと
・静かであること
・マルチディスプレイに対応していること
・安心、快適であること
といった点にこだわっているそうです。ただ、これらの条件を見る限り、ライトノベルの「ライト」にそれほどの意味はなく、とにかく文章を書くことに特化した商品であるといえそうです。この点については高橋氏も PC Watch の記事の中で、
ライトノベルをテーマにした理由は単純だ。巷ではラノベが流行っており、ラノベを書きたいという人が多いから、ただそれだけの理由である。なのでタイトルこそ「ラノベPC」だが、ここで用意したPCはラノベだけでなく、脚本、小説、エッセイ、ライター原稿、あらゆる執筆活動に対応しているものと考えて欲しい。
と書いています。
さて、上の条件の中で私が「まあ、そうかな」と小さく共感したのが「静かであること」です。といっても、ハードディスクや冷却ファンの音がうるさくて原稿が書けない、というほど神経質ではないのですが……まあ、静かであればそれに越したことはないと思います。
文章は音楽である
多くの人は、文章を読むときに頭の中でそれを音声化していると思います。場合によっては、特定の人の声が頭の中で再生されることもあります。例えば、「さあて、来週のサザエさんは」「オッス、オラ悟空!」「いやあ、映画って本当にいいものですね~」といった文章を読んだときに、眼で捉えた文字列に人間の声が重なる人は多いと思います。
であるならば、文章を書く方も音を意識して書かなくてはなりません。
記号はなるべく使わない
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なんて文章をときどき見かけます。読者層が限られた媒体であれば、こういうスタイルでもいいかもしれませんが、普通はやはり記号なしでいきたいところです。
理由としては、文章自体や書いている人が「おバカ」に見られてしまうこと、文章が音声的でなくなってしまうことなどが挙げられます。
同じ理由で、読み方が難しい漢字もダメです。読み方がわからなければ音声として再生できないからです。

自分が書いている文章がちゃんと音声に変換できるかチェックしてみてください。
「ながら作業」をしない
テレビを見ながら文章を書く、音楽を聴きながら文章を書く、といった「ながら作業」はよほどの天才でなければおすすめできません。
文章が音に密接に関係している以上、書き手は作曲家と同じように音やリズムに配慮して文章を書かなければなりません。特に重視してもらいたいのがリズムです。音楽については詳しくありませんが、テレビを見ながら作曲をしたり、ほかの音楽を聴きながら新しい曲を作るのはかなり難しいことだと思います。文章も同じです。
余談ですが、ながら作業(英語でマルチタスク)をしても生産性は上がらず、それどころか脳に害を与えるという研究結果が英国サセックス大学によって発表されたそうです。それによると、
複数のデバイスを同時に使うのが習慣になっている人は、脳内の前帯状皮質(ACC)と呼ばれる領域の灰白質の密度が低いことがわかりました。この領域は、感情のコントロールや、意思決定、共感、報酬への反応に関連します。
引用:lifehacker
とのこと。気をつけた方がいいかもしれません。
さて話を最初に戻しますと、文章を書くうえで余計な音はない方がいい、という観点からパソコン(ハード)の静音性を追求することは理にかなっていると思います。そこに私のアイデアを付け加えるなら、「完成した文章を手軽に音声として再生できる」なんて機能があってもいいかもしれません。