「平成」という元号の意味・由来は?

コラム

2019年の5月1日に現在の皇太子徳仁親王が即位し、新しい元号の時代が始まります。新しい元号は「国民の理想としてふさわしいよい意味」「漢字2字」「読み書きしやすい」「これまでに用いられていない」「俗用されていない」といった基準で選定され、4月1日ごろに公表される予定です。

世の中では「新しい元号はさまざまな書類の生年月日欄で使われている[M・T・S・H]とかぶらない頭文字になる」とか、「今の時代に即して心愛(ここあ)元年とかいいんじゃね?」「慶応と明治があるから次は早稲田がいい」とかいろいろ言われていますが、いずれにしろ30年ものあいだ慣れ親しんだ「平成」は幕を閉じます。そこであらためて「平成」という元号の意味・由来をおさらいしておきましょう。

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平成は「天地、内外ともに平和が達成される」という意味

平成という元号は『Wikipedia』によると、東洋史学者で東京大学名誉教授の山本達郎氏によって提案されたとあります。前述したとおり元号は「俗用されていない」という決まりがありますので、必然的に辞書に載っていないような造語となるわけですが、それでも根拠となる文献、出典元が存在します。

例えば昭和の場合には『書経』という中国の歴史書に「百姓明、協万邦」という記載があり、そこから二文字を抽出して「昭和」としました。意味は「国民の平和と世界の共存繁栄を願う」になります。

平成の場合は出典がふたつあり、まず同じ『書経』偽古文尚書・大禹謨の「地(地平かに天成る)」、さらに『史記』五帝本紀の「内(内平かに外成る)」から引用されたといわれています。意味は「天地、内外ともに平和が達成される」です。

ちなみに昭和や平成をはじめとした35個の元号は『書経』が由来となっています。ただ平成の引用元となった「地平天成」がある偽古文尚書は偽書(製作者や製作時期などの由来が偽られている文書・書物のこと)であることから、元号にふさわしくないという意見もあったそうです。

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