文章を短くする方法

文章の書き方

前回「文章の倹約家になる」で文章を削って短くしましょうと述べました。

文章の倹約家になる
『リバー・ランズ・スルー・イット』という映画を見たことがあるでしょうか。ブラッド・ピットが出演しているのですが、劇中、牧師で倹約家のお父さんが長男に文章の書き方を教えるシーンがあります。このお父さん、文章に対しても倹約家で、長男がもってきた...

ではどこをどう削ればいいのかということになりますが、まず初めにリストラの対象となるのが書き出しの文章です。例えば以下の文。

 長かった年末年始の休みも終わり、今日から仕事初めという方も多いかと思います。特に今回は多くの人が6連休、長い人では9連休を楽しんだことでしょう。みなさん、ちゃんと社会復帰できていますでしょうか。かくいう私も正月ボケが抜けきれていませんが、少しずつ調子を戻していこうかと思います。
 さて、前回は「どうして髪が抜けるのか」というところまでお話ししました。今回はちょっと耳を疑うようなショッキングな話題です。なんと、「頭皮を叩いたりマッサージしたりして頭皮の血行を良くするとハゲやすくなる」という記事が公開されたのです。つまり、頭皮のマッサージは薄毛対策として逆効果だったということです。これに対してネットでは、「頭皮の血行を良くしたらハゲないって言ってたじゃないですか」「もっと早く言え! いまさら遅いよ」と阿鼻叫喚の声が上がっているとか。もう何を信じればいいのやら……

おわかりかと思いますが、正月ボケについて書かれたひとつ目の段落がまるまるリストラの第一候補となります。時節のネタを導入部に使うことも文章の書き方として悪くありませんが、本題の「抜け毛」とはまったく関係のない話なので削除しても影響ありません。せめて「寝正月の不規則な毎日で髪へのダメージが心配だ」とか「なぜか髪の毛だけ社会復帰できてない」といったフレーズを入れて本題への流れを作ってほしいところです。

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内容が重複している部分を削ってさらに短く

さてこれでだいぶ短くなりましたが、もう少し削りましょう。

まず、「耳を疑うようなショッキングな」という表現は意味が重複しているので片方をカット。

また、「頭皮を〜して、頭皮の〜」と、同じ単語が連続していますので、こちらも片方を削除。

「叩いたりマッサージしたり」も同じようなことなので片方を削ってもいいでしょう。

次に、「つまり、頭皮の〜ということです」という一文は上と同じことを繰り返しているだけなのでまるまる削除。

さらに、「頭皮の血行を〜じゃないですか」というネットの声も上の記事を言い換えただけなので削ります。

これで以下のようになりました。

 前回は「どうして髪が抜けるのか」というところまでお話ししました。今回はちょっとショッキングな話題です。なんと、「頭皮をマッサージして血行を良くするとハゲやすくなる」という記事が公開されたのです。これに対してネットでは、「もっと早く言え! いまさら遅いよ」と阿鼻叫喚の声が上がっているとか。もう何を信じればいいのやら……

いかがでしょうか。
髪は大事にとっておきたいものですが、文章は抜けるだけ抜いちゃってください。

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