巷では『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ(映画)放映が話題になっていますね。私はまだ見ていませんが、マンガは全巻持っていて、とても好きな作品のひとつです。上の画像も同作品のマンガから引用しました。
このマンガで私がいちばん好きなキャラクターが若いころのハモンさんです。ランバ・ラルの内縁の妻ですね。
子供のころテレビで見ていたときには、ただのオバサンとしか思えなかったのですが、『〜 ORIGIN』のハモンさんはいいですね。描写が変わったのか、私が年をとったのか・・・
さて、そのハモンさんが昔のアニメ(いわゆるファーストガンダム)の中で、「よしんば砂漠に散るのも後悔はない」と語る場面があります。
「よしんば」なんて日常ではあまり使われる言葉ではないので若い人はあまり知らないようですが、私の場合はたまたまハモンさんが使っていたため、小学生ながら自らの語彙として身につけることができました。
「よしんば」は「たとえ〜だとしても」という意味
意味はそれほど難しくはありません。「たとえ〜であったとしても」といった意味です。ハモンさんの言葉で置き換えると「たとえ砂漠に散ったとしても後悔はない」となります。
よしん ば 【縦んば】
(副)
(多く下に逆接の仮定条件を伴う)話し手が肯定しがたい、極端な事態を仮に想定するさま。たとえそうであったとしても。かりに。「─来たとしても、私は会わない」(『大辞林』)
では、その語源は何でしょう? 「よし」という語感と「たとえ〜」という意味に関連性を見出だせない人も多いかと思います。漢字で「縦」と書くのも不思議な感じがしますね。私もそうでした。
そこで、「縦(よし)」という言葉を調べてみました。
よし 【縦】
(副)
① (下に仮定の言い方を伴う)好ましくないことであっても…だ、の意を表す。たとえ。かりに。万一。「─命を失おうとも悔いはない」「─其れが出来難いにせよ/武蔵野 独歩」② 不満足だがまあしかたがない、それはそれでまあいい、などの気持ちを表す。ままよ。「人皆は萩を秋と言ふ─我は尾花が末を秋とは言はむ/万葉集 二一一〇」
(『大辞林』)
① は、「よしんば」とほとんど同じ意味ですね。これに強調の意味を示す「んば」という語がついて「縦んば」となったようです。
さて、話を変えてしまいますが、上の ② の説明に「ままよ」という言葉が出てきますね。これもいかにもガンダムっぽい言葉です。調べてみたらやはり、『Z』でシャアが「ええい、ままよ!」と使っていました。
こういった難しい言葉や、セイラさんの「アムロ、聞こえて?」といったような全然子供向けでない言い回しを平気で使ってくるあたり、やはり『ガンダム』はすごいアニメでした。