Q. 「外郎」という漢字の読み方・由来・語源は?

「外郎」という語を辞書で調べると「菓子の一種。米の粉に黒砂糖などで味つけした蒸し菓子。名古屋・山口などの名産(『大辞林』三省堂)」とあります。この説明と写真を見ればなんとなく察しがつくかもしれませんが、本来は薬の一種。そこでその薬を早口言葉で売り歩くようすを演じた「外郎売」という演目が歌舞伎十八番にあります。「げろう」じゃありませんよ。

読み方は「ういろう」。その語源は?

外郎は「ういろう」と読みます。見た目がちょっと羊羹(ようかん)に似たお菓子ですね。ちなみに両者の違いは、小豆を主原料にした餡(あん)を型に流し込んで寒天で固めたものが羊羹、米粉などに水を加えて練ったものを型に流し込んで蒸し固めたものが外郎だそうです。外郎餅ともいいます。

上にも書きましたが外郎とはもともと薬の一種。辞書には「痰をきり、口臭を除く丸薬。江戸時代、小田原の名物として有名(『大辞林』三省堂)」とあります。そこでこの薬を外郎薬とも呼びますが、菓子の外郎餅がこの外郎薬に似ていたから同じ名前になったという説。もしくは外郎薬の口直しに外郎餅を用いたからという説があります。

ではなぜ「外郎」という漢字で「ういろう」と読むのかというと、外郎薬の元になった薬を日本に伝えたのが陳宗敬という人で、この人の役職名が礼部員外郎(れいぶいんがいろう/らいほうえんういろう)だったからといわれています。

「外郎」を使ったその他の語句

上でも紹介しましたが、外郎といえばお菓子の外郎餅のほかに「外郎売」という歌舞伎十八番の演目が有名です。特徴は劇中に出てくる早口言葉のような長台詞。あまりにも言いづらいため、俳優やアナウンサーの発音・滑舌練習に使われることもあるそうです。その一部をご紹介します。

さて此の薬、第一の奇妙には、舌の廻る事が銭ごまが裸足で逃げる。ヒョッと舌が廻り出すと矢も盾も堪らぬじゃ。

そりゃそりゃそらそりゃ、廻って来たわ、廻って来るわ。アワヤ喉、サタラナ舌にカ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重。開合爽やかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ。一つへぎへぎに、へぎ干し・はじかみ、盆豆・盆米・盆牛蒡、摘蓼・摘豆・摘山椒、書写山の社僧正。

小米の生噛み、小米の生噛み、こん小米のこ生噛み。繻子・緋繻子、繻子・繻珍。

(引用:Wikipedia)

使用例

ういろうは漢字で書くと「外郎」で外は唐音でウイと読み、郎は日本読みでロウである(『日本の郷土料理』石毛直道ほか・編/ぎょうせい)

部は日本の省に相当するが、その中に局にあたる司があり、その長が郎中。その下が員外郎になる(『西太后』高陽・著/鈴木隆康、永沢道雄・訳/朝日ソノラマ)

名古屋はヒルトンなんてのよりもホテルシャチホコとかホテルニューういろうなんてのがいいんじゃないかな(『むはのむは固め』椎名誠・著/本の雑誌社)

師匠は、ういろう売りとか歌舞伎の名セリフなどをほんとうによく教えてくれました(『夢画夢中』片岡鶴太郎・著/佼成出版社)

書体ごとの表記

明朝体


教科書体


行書体

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