Q. 「麻疹」という漢字の読み方・由来・語源は?

「麻疹」という語を辞書で調べると「ウイルスの飛沫感染によって起こる急性の感染症。幼児・小児に多い。潜伏期は約10日間。風邪のような症状に始まり口腔粘膜に小白斑が出、やがて全身に発疹が出る(『大辞林』三省堂)」とあります。「蕁麻疹(じんましん)」のように音読みで「マシン」と読むことももちろんできますが、今回は訓読みについて考えていきましょう。

読み方は「はしか」。その語源は?

「麻疹」は「はしか」と読みます。意味は上に書いたとおりで、皆さんも「小児はしか」といった言葉を聞いたことがあると思います。

まず漢字を見ていきましょう。「疹」という字は「シン」と読みますが、これ一文字で皮膚にできる異常物(吹き出物など)のことを表し、この「疹」が皮膚に現れることを「発疹(はっしん/ほっしん)」といいます。では「麻」という字はどこから来ているかというと、「麻疹」の発疹の色や形が麻の実のように見えることから、中国でそう表現されはじめたそうです。

読み方の「はしか」の由来は「はしかい」にあるといいます。「はしかい」とは、チクチクと痛がゆいさまを表す言葉で、麻疹になると喉や皮膚がチクチク、ヒリヒリすることからそう呼ばれるようになりました。

はしか・い
〔「はしか(芒)」の形容詞化。中世・近世語〕
ちくちくと痛がゆい。こそばい。「──い所をくらふたな/狂言・文蔵」

(『大辞林』三省堂)

さて、上の辞書の解説にある「はしか(芒)」について。「芒」とは「のぎ/すすき/はしか」と読み、いちばん上の写真にあるような、稲・麦などイネ科植物の外殻にある針のような毛のことを指します。つまり、「麻疹」によって引き起こされるチクチクした感じが、麦の穂先でこすったときの感覚に似ているので、転じて「麻疹=はしか」となったわけです。

使用例

つれ立つ者も一しょになって笑ったが、其子は程なく麻疹をわずらって死んだと言うことである。多分はもう親の無い児であったのであろう(『全集日本野鳥記』柳田國男・著/講談社)

オカルトなんてものは気弱な女子高生のかかる麻疹みたいなものさと、いつか友達と笑ったことがあるけれど(『メビウス・レター』北森 鴻・著/講談社)

享保十五年の麻疹流行の際には、吉宗の長男の家重がかかり、尾張藩主の継友は没している(『吉宗と享保の改革』大石 学・著/東京堂出版)

『記者ハンドブック』での扱い

共同通信社が発行している『記者ハンドブック』では、基本的にはひらがなで「はしか」と書き、別名扱いで「麻疹」という字を使用することを勧めています。

書体ごとの表記

明朝体


教科書体


行書体

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク