Q. 「案山子」という漢字の読み方・由来・語源は?

「案山子」を辞書で調べると「鳥獣が田畑を荒らすのを防ぐために、獣肉・魚の頭・毛髪などを焼いて串に刺して立て、その悪臭で追い払うもの(『大辞林』三省堂)」とあります。ここまで言ってしまえば答えはほぼ明白かもしれませんが、どうしてこんな漢字が使われているのかを知ることで、より理解が深まることと思います。

読み方は「かかし」。その語源は?

まず「かかし」という読み方のルーツについて。上の説明にもあるとおり、カカシはもともと魚の頭や髪の毛を焼いて、その悪臭で鳥や獣を追い払っていたものを指していました。これを「嗅がし(かがし)」と呼び、それが「かかし」に変化したといわれています。

また鹿を驚かすという意味から「鹿驚(かがせ)」→「かかし」と呼ぶようになったという説もあります。実際にカカシを「鹿驚」と書く例もあります。

ではどうして「かかし」という言葉に「案山子」という漢字を当てるようになったのかというと、「はっきりわからない」というのが本当のところですが、一応、いくつか説はあるようです。

まず「案山」とは低い山、比較的平らな場所のことを指します。こういった低くて平らな場所には田畑も多く、またカカシもそういった「案山」に置くことが多い人形(=子)であることから「案山子」と称したという説。

また役に立たない人を称してカカシと呼ぶこともありますが、「高山=優れている」に対して「低山(案山)=劣っている」という意味で「案山子=カカシ」とした説もあります。

そのほか、中国の禅書にある「面前案山子也不会」という句を間違って訳して、勝手に「これはカカシのことを言っているのだろう」としてしまったという説もあります。

「案山子」のその他の読み方

あんざんし
 
そおず
 「あしひきの山田のそほず(『古今和歌集』)」
そおど
 「少名毘古那の神を顕はし白せし謂はゆる久延毘古は、いまに山田のそほどといふぞ(『古事記』)」

(『大辞林』三省堂)

使用例

早朝から就寝するまでの時間、家にいても案山子のように軍服を着続けているが(『静寂の声』渡辺淳一・著/文藝春秋)

「し、しかし」「しかしも案山子もないわい。こら小僧。豆腐の方だ。お前はどうしてそう権威やら威厳やらに弱いのかな(『豆腐小僧双六道中ふりだし』京極夏彦・著/講談社)

田圃の端に淋しく立っている一本足の案山子ぐらいに考えているのか。まるでピエロじゃないか(『大路治川』三木俊昭・著/東京図書出版会)

筆硯や案山子に会へる旅の絶え(『増補現代俳句大系』石川桂郎/角川書店)

雨しろき稲架にもたれて案山子の死(『増補現代俳句大系』堀口星眠/角川書店)

『記者ハンドブック』での扱い

共同通信社が発行している『記者ハンドブック』では、「かかし」はひらがな書きにするよう勧めています。

書体ごとの表記

明朝体


教科書体


行書体

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク