Q. 「三和土」という漢字の読み方・由来・語源は?

「三和土」という語を辞書で調べると「コンクリートで仕上げた土間。古くは、叩き土に石灰・水などを加えて塗り、たたき固めた(『大辞林』三省堂)」とあります。上の写真でネコがくつろいでいる場所のことですね。辞書の説明文の中に読み方の答えが出てしまってますが・・・

読み方は「たたき」。その語源は?

「三和土」は「たたき」と読みます。古い家屋などによく見られる土間ですね。屋内でも床板を張らず、地面のままにしてある場所を指します。ただ、厳密には場所そのものを指すのではなく、土間という場所に使われる床材(土)を指す言葉です。

読み方の由来は上の辞書の説明にもあるとおり、土を叩き固めたものを素材としていたことから。コンクリートがなかった時代に、地面を固める方法として一般的に採用されていました。ちなみに現在はコンクリート製の土間も「たたき」と呼びます。

「三和土」という漢字は、「叩き土」と「石灰」と「水(にがり)」といった三種類の素材を混ぜて作った土、ということから付けられました。当て字です。「叩き土」というのは花崗岩や安山岩などが風化してできた土のことで、石灰と水を加えて練ると硬化する性質があるそうです。

「叩き」は「敲き」と書くことも

上で登場した「叩き土」は「敲き土」と書くこともあります。読みは同じで「たたきつち」です。「叩」も「敲」も、ものを打つという意味としてはほぼ同じですが、モノ作りに関係するような場面で「敲」がよく使われるようです。

有名なのが「推敲」という言葉。これは文章を作るときに最適な字句や表現を求めて考え練り上げるという意味ですが、唐代の詩人・賈島が「僧は推す月下の門」の「推す」を「敲く」にしようかと迷って、韓愈の助言で「敲」に決めたという故事からきているといいます(『大辞林』三省堂)。

使用例

町會長は外に出しておいた木製の丸椅子を持ち込んで、三和土に据ゑた(『東京セブンローズ』井上ひさし・著/文藝春秋)

玄関の中に入り込んでいた伯母が、三和土の中からいたずらっぽく笑って振り返った(『無伴奏』小池真理子・著/新潮社)

厳密にいうと、部屋は六畳に、幅が四十センチほどの三和土が付いている(『銀幕座二階最前列』阿久悠・著/講談社)

「また連絡するから」と言った後、コンクリートのたたきを少しの間見つめ、それから鞄を下げて出ていった(『花の寝床』松本侑子・著/集英社)

酒屋のたたきでは地元の人たちがカップ酒で酒盛りしており、ついつい、その輪に加わってしまう(『駅の旅』種村直樹・著/自由国民社)

書体ごとの表記

明朝体


教科書体


行書体

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク