いまさら聞けない『ブラックジャックによろしく』騒動の裏側

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アマゾンの Kindle や楽天の kobo をはじめとした電子書籍ストアで、『ブラックジャックによろしく』というマンガが無料配信されているのを見たことがあると思います。

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↑ アマゾンの Kindle ストアでの表示

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↑ 楽天の kobo での表示(わかりづらいですが右上に「無料作品」とあります)。

これ以外にも無料のマンガというのはたくさん配信されているわけですが、たいていはあまり人気のない作品だったり、無料なのは1巻だけで2巻以降は有料というケースがほとんどです。

ところが、この『ブラックジャックによろしく』を描いた佐藤秀峰さんは、ドラマや映画にもなった『海猿』の原作者であり、『ブラックジャックによろしく』自体もドラマ化され、発行部数は1000万を超える人気作です。それが全巻(『新ブラックジャックよろしく』は除く)無料で配信されているというわけで、無料公開当時はたいへんな話題となりました。

その背景については、ネットにもいろいろと書かれていますのでご存知の方も多かと思いますが、実はあまり詳しくは知らないという人もいるでしょう。そこでいまさらながら紹介したいのが、佐藤秀峰さん本人が書いた『漫画貧乏』という本です。こちらも Kindle や kobo で無料配信されています。

漫画貧乏
著者: 佐藤秀峰
出版社: 佐藤漫画製作所/漫画onweb

マンガ家と出版社との関係がよくわかる

この本ではマンガ家が出版社からいかに不当な扱いを受けているのかという実情が、具体的な数字とともに作者の視点で語られています。

佐藤さんほどの有名マンガ家にもなればずいぶんと儲けているんだろうな、という世間の予想に反し、実際には『ブラックジャックによろしく』がヒットしていた当時でも原稿料だけではスタッフを養っていけなかったといいます。

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報酬に関する問題や、作品が無断で二次使用されるといったことに対する不満を抱えながら、人気作を休載させ、出版社を変え、『ブラックジャックによろしく』を電子書籍として無料配信するまでの流れがこの本では語られています。

こういったマンガ家と出版社とのいさかいは佐藤さんに限ったことではなく、『金色のガッシュ!!』の作者・雷句 誠さんも小学館との不平等な関係に不満をいだき、最終的に両者の関係は訴訟問題にまで発展しています。

出版社は必要か?

『ブラックジャックによろしく』は当初講談社の『モーニング』で連載がスタートしましたが、2007年から『新ブラックジャックによろしく』と改題して小学館の『ビッグコミックスピリッツ』に移籍されました。

しかし出版社を変えても根本的な問題は解決せず、紆余曲折ののち、佐藤さんは出版社を通さないで読者に直接作品を提供する方法を模索します。

そうして開設されたのが、現在の「マンガ on ウェブ」というサイトです。

これは佐藤さんがたどりついたひとつの答えなのですが、同じような流れでいえば KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)や、kobo ライティングライフといった電子書籍の個人出版サービスも選択肢になりうると思います。

では、本当に出版社や編集者は必要ないのでしょうか? 特に佐藤さんのようにプロの現場で実績を残してきた人ならまだしも、まったくの素人が自分だけの力でマンガや小説を出版することができるのでしょうか?

そういった疑問を解消すべく、少しずつではありながら編集のノウハウを紹介していこうというのがこのブログの目的です。大手出版社が行っているような、「100万部売るための活動」とはレベルが違いますが、きっとお役にたてることもあるでしょう。

最後に、本筋とは関係ありませんが私がぞっとした「漫画賞」が出来レースだったという暴露を紹介します。

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