書体を変えるだけでプロのマンガっぽくなる!?

コラム

電子書籍で今いちばん売れているコンテンツはマンガでしょう。もちろん大手の出版社から発行されたプロの作品が多いのですが、「自分でマンガを描いて出版してみたい」というニーズもあるはずです。

そこで今回は素人が描いたマンガから「素人っぽさ」をなくす方法のひとつとして、フキダシ内の書体を変えることを提案します。

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フキダシ内のセリフは太い方がいい

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プロのマンガ家でなくても、魅力的な絵やストーリーを描く人はたくさんいます。しかしながら、マンガの才能やセンスがあることと、編集のノウハウをもっていることとは別です。そういった意味で素人っぽさが表れやすいのが、フキダシ内の書体です。

特によく目にするのが、フキダシ内に細い明朝体を使うケース。上の画像の場合はセリフ(台詞)に「MS 明朝」を使用しています。「MS 明朝」は Windows に標準でインストールされているとてもメジャーな書体なので、何の疑いもなくマンガにも使用する人がいますが、これが素人っぽさを醸し出してしまいます。

これを下の画像のように変えてみるといかがでしょうか。それっぽくなったと思います。

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(出典:『やらまんが浜松』)

マンガにはアンチゴチという書体が使われる

上の画像のセリフをよく見ていただければわかると思いますが、漢字にはゴシック体、ひらがなには明朝体を太くしたような書体が使用されています。この太い明朝体のような書体をアンチック体といい、上のような「アンチック + ゴシック(ゴチック)」の組み合わせを「アンチゴチ」と呼びます。

アンチゴチのマンガへの使用は、紙の質や十分な印刷環境が確保できなかった時代に「いかにマンガのセリフを読みやすくするか」ということで生み出された手法であるといわれています。

それ以来、日本のマンガにはアンチゴチが採用され続け、この書体が「マンガらしさ」を表現するひとつの要素となっています。近くにマンガ本がある人はちょっと手にとってみてください。きっとアンチゴチが使われていると思います。

15011304ただし、マンガにはアンチゴチだけが使われるというわけではなく、ナレーションにあたる字の文などにはセリフと区別するために違う書体が使われることが多いです。また、セリフでも叫び声にはもっと太い書体を使ったり、幽霊の声などにはオドロオドロしい書体が使われたりします。

こういった感じで書体に少し気を配ってみると、子どもが描いたマンガでもちゃんとしたものに見えてくるものです。ぜひ参考にしてみてください。(出典:『富士拾遺物語』)

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