『記者ハンドブック』第13版を買ってみた

文章の書き方

少し前のことになりますが、3月22日に共同通信社が発行する『記者ハンドブック 新聞用字用語集』の第13版が出たのでアマゾンで予約購入しました。

このブログでも何度か引用させていただいている同書ですが、今回の第13版は2010年10月に出された第12版以来、5年半ぶりの増補大改訂版となるようです。

私個人としては2001年の第9版以来、15年ぶりの買い替えになります。

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第13版は増補大改訂の768ページ!!

・・・ではさっそくカバーを取っ払います。

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赤と青の決して美しいとはいえない紙のカバーと打って変わり、紺色の落ち着いた皮革調の装丁が現れます。こちらの方がいいですね。

これは昔「大学受験ラジオ講座(通称:ラ講)」で英語の宮崎 尊先生がおっしゃっていたことですが、辞書は買ってきたらまず外箱を捨てて、透明のビニールカバーも捨てることをおすすめします。「辞書を引く」という作業は案外面倒くさいものなのですが、その面倒くささを助長しているのが外箱の存在だというのです。これがなくなれば「箱から出す」という動作がひとつ減りますからね。

さらに、透明なビニールカバーがついているものもありますが、これが使えば使うほど白く汚くなり、冬など乾燥した時季には角の尖った部分で肌を引っ掻いてしまうなどいいことありません。辞書というものはたいてい皮革調に加工された(ちょっと高級感ある?)表紙になっています。これが案外見た目もよく、手にもやさしく馴染むので、辞書など「読む」というよりは「使う」本にはちょうどいいのです。

ということで『記者ハンドブック』も、かっこ悪くてすぐに汚くなる紙のカバーと帯は捨ててしまいます。

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右にあるのが私が使っていた第9版です。文字が擦れて消えてますね・・・

ボリュームは前作の第12版が744ページなのに対し、第13版は768ページと「増補大改訂!!」のキャッチコピーにふさわしい増加となっています。が、実は私の使っている第9版は792ページ。そこから比べると第13版は少しスリムになってます。

さて、そのような感じで第9版との比較になってしまい少々恐縮ですが、第13版の新しくなったところを見ていきましょう。

「用事用語集」見やすい新レイアウトで解説も一新

さきほど捨ててしまった青い帯に書かれてるキャッチコピーを見ていきます。ひとつ目。「用事用語集」のレイアウトが変わったようですが・・・

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左が第13版で右が第9版ですが、パッと見て気がつくのは見出しのフォントが違いますね。第13版はゴシック体になってます。また解説の文字も大きくくっきりしたものになっていますね。《使い分けに注意》という囲み(網かけ)の装飾も第9版にはないものでした。

また、こちらの「「メード喫茶」か「メイド喫茶」か 『記者ハンドブック』第13版発売へ(THE PAGE)」記事によると、「交ぜ書き」の表現が避けられ、代わりに「言いかえ」の例が示されるようになったそうです。

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例えば「混沌」という言葉について、これまでは「混とん」といったように「漢字」と「かな」を交ぜた(混ぜた)使い方を示していたのが、第13版では「混沌(こんとん)」とルビをふるように変わっています。

障害者を障碍者と書くことになった経緯」の記事でも触れていますが、近年は「交ぜ書き」はなるべく避けることがすすめられています。

障害者を障碍者と書くことになった経緯
近年、運動会で「障害物競争」という名称を使用しない学校があるといいます。なんでも「障害者」を連想するからだそうで、「サバイバルレース」とか「山あり谷あり競争」などといった呼び方に変更しているそうです。 日本語を知らない外国の人が言っているの...

「漢字表」小学校の学年ごとに習う漢字が分かる

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漢字と読みとの順番も変わっていますが、第13版のアピールポイントは漢字の下に付けられた①、②といった丸数字です。それぞれが小学校での配当学年を表しているそうです。2010年に告示された常用漢字表へは前作の第12版で対応済みですが、そのときに新しく追加された196文字は赤字で示されています。

「外来語用例集」ほか、資料編も最新版に全面改訂

上記の「「メード喫茶」か「メイド喫茶」か 『記者ハンドブック』第13版発売へ(THE PAGE)」の記事タイトルにもなっている「メード / メイド」といった外来語も刷新されているようです。

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このあたりは時流によって内容が大きく変わるところなので古いハンドブックばかり使っていると具合がわるいですね。

・・・と簡単ではありますが、新しくなった『記者ハンドブック』の紹介でした。

ところで、記事の中に「世間や同業他社がメイドと書くなか、時流に逆らってメードとするのは大変だった(共同通信社編集局用語委員)」とありますが、我々は新聞社に属しているわけではないので、『記者ハンドブック』を参考にしながらも自分たちなりのルールを決めていけばいいと思います。

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