教養はないよりあったほうがいいにきまってる

文章の書き方

橋本 環奈(はしもと かんな)というアイドルがいます。「1000年に一人の逸材(美人)」というフレーズで話題となった女の子です。

この「1000年に一人」というアイドルについて『東スポ Web』に「橋本環奈 気の毒な『他アイドルと共演NG』の実情」という記事が掲載されました。内容は、「1000年に一人」というフレーズがすごすぎて他のアイドル(の事務所)が共演したがらない、といったものです。

その記事の中に以下のような記述があります。

「“1000年に1人の逸材”ってことは、平安時代以来のアイドルってこと(笑い)。ネット上なんかには『1000年に1人ということは卑弥呼、紫式部、橋本環奈ということ?』なんて書かれていることもあった」(芸能プロ関係者)

「紫式部以来かどうかはともかく、“1000年に1人の逸材”と言われてしまうと、同じ時代に活動する他のアイドルは当然、『橋本よりも下』ということになる。だから他のアイドルグループと共演させにくく、オファーを出しづらくなっている」(前出のテレビ局関係者)

内容はさておき、それをいうなら紫式部ではなく小野小町だろっ、とツッコンでしまいました。

おののこまち【小野小町】
平安前期の女流歌人。(中略)絶世の美女とされ伝説も多く、謡曲・御伽草子・浄瑠璃などの題材となった。

(『大辞林』三省堂)

上の画像は『Wikipedia』より引用。「小野小町(『前賢故実』菊池容斎画、明治時代)」。

紫式部が美人だったという伝承は特にないはずです。まだ清少納言の方がマシだったんじゃないかという意見があるくらいです。

もともとネットで話題にしていた人たちが勘違いしたのか、取材した芸能プロ関係者やテレビ局関係者が間違ったのか不明ですが、最終的にこの記事を書いた記者に教養があれば修正できた間違いでした。

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西洋人と話をするなら読んでおきたいシェイクスピア

話し変わりまして、スウェーデンに「アブ・ガルシア(ABU Garcia)」という釣具メーカーがあります。「アンバサダー(Ambassadeur)」というリールのシリーズが日本の釣り好きのあいだでは有名ですが、同じくアブの有名な商品に「トビー(Toby)」というルアーがあります。

昔、開高健がアブ社の人と一緒に釣りをしていたときに、「Toby or not Toby, that is the question(トビーかトビーでないか、それが問題だ)」というフレーズを聞かされたそうです。

これは、シェイクスピアの『ハムレット』に登場する「To be or not to be, that is the question(生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ)」という有名なフレーズのパロディです。

これをまったく知らないとポカーン…となってしまいますが、知っていればその「場」をもっと楽しむことができます。

西洋人と話をしているとこういった引用がよく出てくるから、シェイクスピアとギリシャ神話と聖書は読んでおいた方がいい、と若いころ人生の先輩から言われました。

なんて、

偉そうに書いている私も決して「教養がある」と(表立っては)いえませんが、教養はないよりあったほうがいいにきまってます。

特にブログや電子ブックなどに文章を書いて載せる場合、教養があると面白いエピソードを挿入することができたり、論説における説得力が増したりします。

そこでおすすめのフレーズをひとつ。

 知識は荷物になりません、あなたを守る懐刀。

『冒冒グラフ』より。

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