「ファスナー」と「ジッパー」と「チャック」の違い

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中学生のとき、「チャック」というニックネームの先輩がいました。社会の窓(死語?)を全開にしていたことがあったからという、ありふれた理由からですが、これが「ジッパー」だったらもう少しカッコ良かったかもしれません。「てめぇ、静中のジッパーを知らねーのか!」ってね。「ファスナー」だったら・・・ちょっとオシャレな感じがしますね。「今日もエレガントですね、ファスナー先輩っ♡」なんて。

さて、
本題に入りますが、みなさんは「ファスナー」と「ジッパー」と「チャック」の違いって知っていますか? 実は、呼び方が違うだけで、これらはみんな同じものを指します。もう少し詳しく言うと、「ファスナー」が一般名称で、「ジッパー」と「チャック」は(元々)特定商品名だったのです。

特定商品名というのは特許庁に商標として登録されている名称のことで、これらを勝手に使うと怒られることがあります。例えば「宅急便」が有名ですね。「宅急便」はクロネコヤマトのヤマトホールディングス株式会社の登録商標なので、一般的には「宅配便」という言葉を使います。NHKがそのあたりに関しては厳格ですね(NHKではディズニーランドのことを「浦安の遊園地」と呼ぶとか、呼ばないとか)。

(参考)
『魔女の宅急便』というタイトルが「ヤマト運輸の商標権に触れて問題になった」と一部で話題になった。その原因は、原作者の角野栄子が第1作刊行時に宅急便はヤマト運輸の登録商標である事を知らなかったためである。映画化に至ってヤマト運輸と正式なスポンサー契約を締結し、このアニメの映像を、「こころを温かくする宅急便です。」のキャッチコピーと共に、そのままヤマト運輸の企業CMにした物も作ることによってこの問題を解消している。

(Wikipedia より引用)

ただ、上で「元々」と書いているとおり、現在は「ジッパー」も「チャック」も一般名称として使用してもOKということになっています。

商標でも一般名称になってしまうことがある

商標の中には、権利者が「自由に使っていいですよ」と許可しているものもあります。

トランポリン(権利者:セノー株式会社)」や「プラモデル(権利者:日本プラモデル工業協同組合)」「ホバークラフト(権利者:ブリティッシュ・ホバークラフト社)」「ラジコン(権利者:株式会社増田屋コ-ポレ-シヨン)」などがそれに当たります。

これとは別に、権利者が許可していなくても世の中の状況と照らし合わせて「これはもう一般名称でしょう」と判断されてしまう場合もあります。これを「商標の普通名称化」といいます。

商標の普通名称化(しょうひょうのふつうめいしょうか)とは、商標としての機能、すなわち特定の企業その他の団体が提供する商品または役務(サービス)を識別する標識としての機能(自他商品役務識別機能、出所表示機能)を有していた名称が、徐々にその機能を消失させ、需要者(取引者、最終消費者)の間でその商品や役務を表す一般的名称として意識されるに至る現象をいう。

(Wikipedia より引用)

商標が普通名称(一般名称)化すると、他者による商標の無断利用をやめさせることができなくなります。例えば、ライバル会社が自社の商標を無断利用していたので裁判所に訴えたとします。ところが、その商標が一般名称として世間に浸透しすぎていると「もはや商標としての効果はない。無効です」と裁判所が判断し、訴えを退けてしまうのです。

このようにして普通名称化された商標には以下のようなものがあります。

「うどんすき」「正露丸」「招福巻」「巨峰」「サニーレタス」「ポケベル」「エスカレータ」「メカトロニクス」「ホームシアター」

特定商品名とその言い換え例

では、私たちが本の原稿を書く場合は特定商品名をどう扱えばよいのでしょうか。

通常の使い方をしているうちは問題ないのですが、もし、間違った使い方をしてその商品の価値を下げるようなことになった場合、名誉毀損などに問われないとも限りません。ですから、可能であれば特定商品名は別の一般名称に言い換えた方がいいでしょう。以下に、一般名称と思われがちな特定商品名の例をいくつか記しておきますので、参考にしてください。

アイスノン → 保冷剤
いかめし → イカ弁当
ウィークリーマンション → 短期賃貸マンション
ウィンドサーフィン → ボードセイリング
ウォシュレット → 温水洗浄便座
エレクトーン → 電子オルガン
カップヌードル → カップ麺
キックボード → キックスケーター
キャタピラー → 無限軌道
クラリーノ → 合成皮革
クレパス → パステルクレヨン
形状記憶シャツ → 形態安定シャツ
シーチキン → マグロの缶詰
ジェットスキー → 水上バイク
信州味噌 → 信州のみそ
スタンガン → 高圧電流銃
セスナ → 軽飛行機
セメダイン → 接着剤
セロテープ → セロハンテープ
タッパーウェア → 食品保存容器
テトラパック → 牛乳用紙容器
テトラポッド → 消波ブロック
テフロン → フッ素樹脂
ナップザック → 小型リュック
ハイター → 漂白剤
バスクリン → 浴用剤
バンドエイド → ガーゼ付きばんそうこう
ピアニカ → 鍵盤ハーモニカ
プリクラ → 写真シール作成機
フリスビー → 円盤遊具
ボーガン → 洋弓銃
ポラロイドカメラ → インスタントカメラ
ポリバケツ → プラスチックのバケツ
マジック → フェルトペン
マジックテープ → 面ファスナー
マリンジェット → 水上バイク
ムース → 泡状整髪剤
メロディオン → 鍵盤ハーモニカ
UFOキャッチャー → クレーンゲーム機

ちょっと古い資料を参考にしているので、すでに一般名称化しているものがあるかもしれませんが、その点はご了承くださいませ。

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