「テキストジェネレーター」という名の変なプログラムが何か変

コラム

文章を書くのって大変ですよね。

私も(今のところ)このブログを毎日更新しているのですが、ネタが見当たらなかったり、あまり話が広がらないときにはとても困ってしまいます。

そこで、ボタンを押せばスラスラと文章を吐き出してくれる機械でもあればいいのになぁ…とネットをさまよっていたところ、「テキストジェネレーター」というブラウザ上で動くプログラムを発見しました!

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出力に何か書くと入力をもとに何か出します

「テキストジェネレーター」のサイトはとてもシンプルです。
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「テキストジェネレーター」というタイトルと簡単な説明、そして「入力」「出力」と書かれたふたつのテキストボックスだけで構成されています。説明には、

  • 出力に何か書くと入力をもとに何か出します.
  • 途中で止めたりできます.
  • たとえば,ペンキと書くと何か出ます.
  • 入力は学習用のテキストなので,好きな文章をコピペしてきます.
  • 1文字ずつにすると変な文章が出ます.
  • とだけ書かれています。ちょっと何を言ってるのかわかりません。

    入力欄にはあらかじめ小林多喜二の『蟹工船』のテキストが貼り付けられています。出力欄には「何文字か書くと何か出ます」とあります。

    試しに説明のとおり、出力欄に「ペンキ」と入力すると……

    ペンキのげた帆船が、しめっぽく、「何しに来るんだ」
     船長室に出掛けることに死物狂いになって、女におどけた恰好をした漁夫はうまそうに細くなり、油煙粒ほどの小さい時は祖母に連れられて思わず眼をそらした声だった。水夫、火夫、学生、水、火夫の代表が立ち、水夫三名、水夫、火夫も完全に動員された。――もう夜が明けていたらしく、両足がの巣にひっくり、おっかねしな」《以下略》

    意味のありそうでないような文章が、入力した「ペンキ」という文字に続いて延々とつむぎ出されていきます。

    なんだこれは?

    どうも、入力欄に貼り付けられた文章からランダムに単語を抽出して新しい文章を作成しているようです。

    おもしろいので『蟹工船』を夏目漱石の『坊っちゃん』に変えてみました。

    坊っちゃんの手紙はあまり短過ぎて、容子がよくわからないけれども、今夜はそうは行かない、湯にはいって行くと、おれの方を見る。そんなえらい人が月給四十円で遥々こんな田舎へくるもんか。人間は大概似たもんだ。一体中学の先生なんて、どこへ行くというあてもない。車屋が、どちらへ参りますが、なにとぞ従前の通りお見捨てなくご愛顧のほどを願います。とへえつく張って席に戻った。《以下略》

    次は、太宰治の『走れメロス』。

    メロスはひょいと、かすれた声で精一ぱいに鳴り響くほど音高く私の頬を殴れ。私は王の卑劣を憎んだ。婿の牧人である。身仕度は出来ません。」
    「さては、王の命令で、ここまで来れば大丈夫、これから訪ねてみるつもりであったか、ついに憐愍を垂れてくれると約束した。「市に用事を残して来た。メロスには父も、母も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの心は、わが身に鞭打ち、ついに出発した。「罪の無いやつじゃ。おまえは、稀代の不信の人間、まさしく王の思う壺だぞ、と自分を叱ってみると、岩の裂目から滾々と、何か小さく、シラクスの市で、石工をしていたかった。立ち上る事が出来るぞ。」《以下略》

    会話文が入った方がちょっとおもしろいですね。

    でしたら次は、会話文ばかりの素材で試してみましょう。

    寿限無、五劫の擦り切れ。これなんか、なかなかいいぞ

    古典落語の定番『寿限無』を元にテキストを吐き出させてみました。

    読むのが面倒な人は、先日手に入れた「テキストーク」で再生させてみましたので音声でお楽しみください。

    「寿限無、五劫の擦り切れ。これなんか、なかなかいいぞ」
    「へぇ、もう一つ何か、長助、どうじゃ」
    「万年で死んじまうんですけど、『擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲の来る末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子のぶら柑子、...頼りなくってさ』なんてどうだ?」
    「よしとくれよ。七つ目の夜、ってのは、長げぇ名前を付けてるものではないか、お珍しい...」
    「お七夜?」
    「そうそう、 そ、その『曰く因縁』ってな、そこへ三千年に一度サラリ...これから先ずっと世話になるんだよ!! さん、さんからしかってやっこさん家へと飛んで帰りますねぇ...明日あたり歩き出すんじゃいねぇ!! と子供に長い名前を付ける日なんたよ」
    「なんじゃねぇか?」
    「『出物』というのは望んでもねぇ野郎だ。おぅっ、『寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲の来る末、風来末、風来末、風来末、食う寝る所に住むところ』これが『量り知れない寿命』と書いても左の耳から出て行くじゃねぇ、寺なんざいちいち憶えておけるけぇっ」
    「何を自慢してるんだよ」
    「おしちやなんです、そいつを全部紙に書いてください。そうかい?」
    「うちの子はそうはいきませんか?」
    「そうかい? いくら見たってぇんですけどね、かかぁに見せて相談しますか? 『五劫』、『五劫の擦り切れ』とはすなわち果てが無い知恵絞るよりもよっぽどこの子は病気もせず、怪我もせず、怪我もせず、怪我もせずに大きくなりますからねぇ」《以下略》

    愉快です。

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